谷川俊太郎書き下ろし作品 舞台劇「おばけリンゴ」
- tachikawakodomogek
- 7月3日
- 読了時間: 3分
更新日:7月10日
2025年6月8日(日)立川市錦学習館講堂にて、舞台劇「おばけリンゴ」公演を企画、開催しました。
(主催:立川子ども劇場/公演:演劇集団 円)

想像力をかき立てる「おばけリンゴ」の世界
この作品は、ドイツの人気作家ヤーノシュによる絵本『おばけリンゴ』(福音館書店 刊)を原作に、故・谷川俊太郎さんが1981年に舞台用に書き下ろした脚本をもとにつくられた舞台劇。谷川俊太郎さんならではのリズミカルで遊び心に満ちたセリフの一つひとつは、原作絵本の魅力をいっそう引き立て、まるで新しい世界が目の前に広がるようでした。
役者の熱演が想像の世界を広げる

主人公のワルターのリンゴの木には、未だ実がなったことがありません。
ようやく白い花が咲き、小さな実が日増しに大きく大きくなって…… 「おばけリンゴ」との出会いから始まる、想像力の世界への大冒険。
演劇集団 円の皆さんによる演技は、まさに圧巻でした。役者さんの豊かな表情とコミカルな動きが、まるで本物のリンゴがそこにあるかのよう。
役者の表現力は素晴らしく、子どもたちからは「見えないリンゴが見えてくるかのようだった」と感想を伝えてくれたように、完全に物語に入り込んでいたようです。
岸田今日子さんの想いを受け継ぐロングヒット作品
この「おばけリンゴ」は、故・岸田今日子さんが「子どもたちに演劇の楽しさを伝えたい」という強い想いから企画した「子どもステージ」シリーズの第一作として生まれました。初演から半世紀近く経った今も、多くの子どもたちに愛され続けるロングヒット作品。
長年上演されてきた作品ならではの独創性と安定感は健在で、「歌や音楽が楽しかった」「セットが立派だった」という感想も寄せられ、シンプルな舞台だからこそ際立つ、作品の独創性、音楽の力が光っていたように思います。
子どもたちの笑顔が、舞台の成功を物語る
観劇後、子どもたちからはたくさんの感想が寄せられました。
・「コミカルな動きだった」 ・「おばけリンゴが本当にあったらいいのに」
・「明るくて元気がもらえるお芝居でした」 ・「原作は読んだことがなかったけど、お話の内容がわかりやすかった」
目に見えないものだからこそ、想像力を膨らませて楽しむことができる「おばけリンゴ」。子どもたちの素直な感動の言葉を聞くと、子どもたちが“見ること”だけでなく、“感じること”“想像すること”を楽しみ、この作品がどれだけ心に響いたかが伝わってきました。
おわりに
「おばけリンゴ」は、絵本の持つやさしさと舞台のライブ感が見事に融合した作品でした。谷川俊太郎さんによる詩的な脚色、そして岸田今日子さんの志を継ぐ「円・こどもステージ」の丁寧な舞台づくりによって、子どもも大人も心から楽しめる演劇体験となりました。
おばけリンゴのように、皆の心の中に素敵なものがたくさん生まれることを願っています。
演劇集団 円の皆さま、心に残る素敵な時間をありがとうございました。そしてご来場くださった皆さま、また次回お会いしましょう!

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